茶の湯のような、和ごころ珈琲

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Concept
思い

珈琲茶房 光香「思い」

楠木流「可否道」最後の弟子

「ハタチ」を前に俺は、
バイク事故により高次脳機能障害となった。
事故の後遺障害で、左半身にはマヒが残り、
言語障害、識字障害、視角視野狭窄などの障害を負った。
障害は一生抱えて生きていくことになる。

今では、俺が障害を抱えている事を
ほとんどの人が「分からない」と言う。
ここまで回復できたのは
とある「本格珈琲」との出会いのおかげだ。
そして、俺の人生は一変する。

事故後リハビリのために、
写真、陶芸、太極拳などを行う中、
太極拳の師である伊与久大吾師に勧められ、
とある喫茶店に行った。

喫茶店の名は、珈琲茶房「と庵」
千葉県市川市にある珈琲茶房だ。
当時、マスターであった楠木惇氏のコーヒーに衝撃を受け、
「この技術を身につければ、一人で生きて行ける。」
そう確信し、俺は「可否道」の門を叩いた。

師匠である楠木氏は、
俺が、障害を負いながらも、
自らの道を歩もうとする事を理解し、
一人前に育てる為、厳しい指導の日々。
そして、師匠自らも病を負いながら、
「可否道」の伝授が続いた。

修行の一環として、実の兄貴の住む山梨県北杜市で
2012年8月〜2016年1月の3年5ヶ月の間
「珈琲茶房 光香」を開業したが。
貸主の都合により、閉店を余儀なくされた。

「珈琲茶房 光香」を開業した事で
お店に来てくれるお客様との会話を通じ、
「可否道」の奥深さを知ることとなった。

また、俺が人生で味わうことの出来ない、
お客様のエピソードを通じて、数々の人生の苦労を知った。
それが、店を続ける愉しみや、俺の人生の悦びとなった行った。

山梨の店を閉店してからは、
再び、珈琲茶房「と庵」で、コーヒー抽出技術をさらに磨くため、
また、自立するための再オープンに向け、
楠木惇氏の元で再修行の日々を過ごした。

しかし、2017年1月1日。師匠 楠木惇氏、永眠。
俺は楠木流「可否道」最後の弟子となった。

生前師匠であった楠木氏は、
「純に再びお店を持たせてやり、一人前になってほしい。」
そう、口にしていた。

バイクの事故から20年経った2018年7月5日。
ここ千葉県船橋市二和向台の地に
「珈琲茶房 光香」を再び、オープンするチャンスを得た。

新生「珈琲茶房 光香」の誕生であり、
マスター川田純の再誕生。
そして、楠木流「可否道」の継承。

ここで、どんなお客様と出会い、
楠木流「可否道」は拡がっていくのだろう。
それを考えると、ワクワクが止まらない。

「一杯の珈琲を淹れること。」
それが今の俺にできること。


茶の湯のような、和ごころ珈琲
「珈琲茶房 光香」川田 純